大北秀雄「ケアプラン読本」
大北秀雄著「ケアプラン読本」復刊いたしました。
「ケアプラン読本」は、2009年12月、人間社より刊行され、早々に品切れとなり、その後絶版となっておりましたが、このたび、社会福祉法人長茂会より、刊行いたしました。復刊にあたって、付録資料を追補しております。
2009年原本発刊時の紹介
高齢者への質問のコツ、介護マニュアル本に 流行年表も
介護を受ける高齢者を理解するための独自のチェックシート作りを呼びかけるユニークなケアプラン作成マニュアルを、介護福祉行政に深く携わった元三重県職員が自費出版した。それぞれのお年寄りが生きてきた時代を知る手がかりとして、各年代ごとのテレビドラマやヒット曲を並べた年表も合わせて載せている。
「ケアプラン読本 もう一度考えてみよう高齢者介護」を出版したのは、元同県介護保険監査専門監の大北秀雄さん(60)。
大北さんは、県健康福祉部の課長補佐を務めるなどして福祉行政にかかわる傍ら、現場のケアマネジャーらにアドバイスする勉強会をボランティアでしてきた。08年3月、定年より2年早い58歳で退職。マニュアル出版に、退職金のうち300万円を充てて1500部刷った。
監督やアドバイスの経験を通して大北さんは「相手の過去や現在の気持ちを理解した上で介護プランを作るべきだと言われるが、実際に高齢者個人のことを把握するのはとても難しい」と感じていた。そこで、マニュアルでは高齢者の状況を把握するための「だれでもできる」独自の資料作りを勧めた。
高齢者の過去や現在の生活を知る端緒として適切な質問として、「出身地」「趣味」「宗教」から、「購読新聞」「かつての髪形」「歯の状態」といった点まで計約50項目を挙げ、わかりやすい一覧表を作る要領を示した。
また、高齢者が生きてきた時代の年表も掲載。各年代の事件や出来事に限らず、大河ドラマや朝の連続テレビ小説のタイトルと主人公、レコード大賞の受賞曲も載せた。
親や祖父母ほど年の違う高齢者をケアする介護職員にとっては、チェックシート作りが会話と情報収集のきっかけになる。理解が深まることで現実的なプランにつながり、職員同士の引き継ぎもスムーズになるという。「利用者の家族や医師も理解できるような書類を作ることが大事」としている。
/2010年5月15日(土) asahi.com ゼロハチマル掲載文